2023.10.06

「〜でなければならない」の分解と再構築

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こんにちは。
ご無沙汰しております、和田です。

例年の如く長く感じた夏もやっと終わり、日に日に陽が暮れる時間が早くなっているように感じます。

今年ももう10月。23AWもいよいよ大詰め。
このAW、みなさんは何を迎え入れられますか？

今季もさまざまなブランドが目を惹くコレクションを展開され、非常に悩まされるタイミングなのではと思います。
実際、これから発売となる大物のために我慢していらっしゃる方や、まだ決めきれていない方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、中にはお目当てのアイテムを既に仕留められた方や、一目惚れで大きなお買い物をされた方もきっといらっしゃると思います。

ですが、今回は申し訳ありません…
まさかのシーズンレスアイテム、「チノパン」のご紹介となります。笑

なぜこのタイミングでチノなのか…
このタイミングで紹介すべきものなのか…

その理由は、
まだ迷われている方はもちろん、これから何か手にされる方や既に何か仕留められた方にも、是非この機会に見に来ていただきたいアイテムだから、です。

ということで、こちら。

Unlikely Dry Goods / Sawtooth Flap 2P Trousers

”Unlikely Dry Goods”
既にご存知の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、23AW、今シーズンからスタートされるブランドです。

まずは簡単にブランドの説明をさせていただきます。
元ビームスのクリエイティブディレクターである中田慎介氏が、
“Unlikely” (ありそうにない、～しそうにない)
をテーマに、アメトラやアメカジをベースとして各年代を往来しながら、様々なディテールを分解し、再構築した天邪鬼でポップなプロダクトを展開するブランドです。

そして、このブランドを象徴するアイテムが、そうです。今回ご紹介させていただくチノなんです。

シルエットは一見クラシックな2インタック入りのチノ。
アメリカ古着や古参のアメリカブランドでもよく見るあの感じです。

ただこのチノの何がすごいかというと、履いてみると分かる唯一無二感。
履く前はそこまで気にしていなかった細かいディテールが、全体のバランスを保ちながらも程良く主張してきてくれます。

うんと深い股上に、裾に向かってほんの少しのテーパードがかかった、まさにありそうでなかったチノ。
思わず折り返したくなるような太幅で施された裾口のステッチも然りで、デザイナー中田さんもご自身のInstagramでよく折って履いてらっしゃいます。

加えて、さらに細かい部分になりますが、コインポケットのフラップがこれまた初めて見る仕様に。形状自体はみなさんもどこかで見たことがあるかもしれませんが、ウエスタンシャツの胸ポケットに採用されるソートゥース（ノコギリ歯）状になっているのです。こういった遊び心も、服好きにはたまらないポイントなのではと思います。

そしてもちろん生地にもこだわりが。素材には、世界3大コットン / ギザコットン(エジプト)の中でも限られた地域でしか栽培できない「フィンクスコットン」を採用し、綿花を痛めず収穫出来るように全て手摘みで制作されております。

手間を惜しまない工程の中で優しく丁寧に作られたコットンは、柔らかく上品な仕上がりな上に、フィンクスコットンならではの光沢と滑らかさを持ちながらも、耐久性に優れます。

さらに、生地にはストーンウォッシュ加工を施しており、はじめから着古したような風合いで自然に溶け込んでくれます。この手のチノはぱきっとしてしまい過ぎることがあるため、その部分を切り取っても、なかなか無い仕様なのではないかなと。

スラックスやデニムに比べると、意外と合わせや雰囲気作りが難しいと考えられている方が多いイメージがありますが、このチノは挑戦する価値があると私は思います。

アメトラ、アメカジ、様々な年代がミックスされたこのチノには、もちろんジャケットやスウェットで真っ向勝負をしても格好良いですし、敢えてさらにロールアップしたり、スポーティなアイテムや他国ルーツのアイテムを合わせてあげたりするのも私的には大アリで。

こんな感じででも、これ以外ででも、お客様それぞれに見合った、お好みの合わせがたくさんあると思います。
アメトラやアメカジの、「〜でなければならない」というようなスタイルを、「ありそうにない、〜しそうにない」というスタイルに、みなさんの手で再構築することができるのです。
即ち、挑戦し甲斐しかないということですね。笑

その上、チノは当店のラインナップの中でも比較的珍しいアイテムといえます。

だからこそって訳では無いんですが、ありそうでないチノ、このタイミングで見に来られませんか？

お客様それぞれの合わせ方を見られることを楽しみに思いながら、店頭にてお待ちしております。